技術者の意地で完成させたエコポーチ!
「 日豊製袋工業 ㈱ (日本フレキシブルコンテナ工業会 正会員) 友松三樹男社長との出会い。」
今回は汚泥の脱水処理から輸送までの業務をワンストップで完結させるMC工法開発の要となるエコポーチ(脱水袋兼輸送用フレコンバック)の開発と、そこで出会った大切な支援者である日豊製袋工業㈱の友松三樹男社長について書きたいと思います。
友松三樹男社長との出会い
ある日に醸造プラントの技術者である実父からのアドバイスをもとに輸送用のフレキシブルコンテナバッグでの脱水に着想し、日豊製袋工業を訪ねました。全国でも有数なフレキシブルコンテナバッグ製造メーカーであり、雇用対策にも力を入れる優良企業として紹介された記事を目にしたのがきっかけです。その時に話を聞いて下さり、引き受けてくださったのが当時工場長だった友松三樹男さんでした。今から8年程前になります。私が頭の中にあるエコポーチの構造を言うと「以前つくったことがある業務用の大型洗濯機用の内袋に構造が似ている」とつくって頂いたのがエコポーチの原型です。
当時は今ほどエコや環境と言われていませんでしたが、「動力を使わない面白いやり方」だと三菱化学で技術者の経歴がある友松さん自身が素材や方法について楽しみながら提案して下さったように思います。機械の試作や実稼働の現場から作業服姿のままで要望を持って行くとすぐに対応してくださいました。私の技術者としての執念のようなものが伝わっていたのではないでしょうか。もっとも気がつけば世間話をしていることも多かったのですが、私にとっても友松さんの専門家の経験に基づく素早い対応や提案は刺激になりました。試作品のエコポーチで脱水をしている現場にも来てくださいました。ユーザーの現場まで足を運んで確認をする熱心な姿勢に驚き、感謝の気持ちになったのを覚えています。
エコポーチの完成
ろ過スピードの速い原反を探して素材や構造のマイナーチェンジを繰り返しながら、エコポーチが今の形になるまでは3年の月日を費やしました。私がろ過スピードにこだわったのは、汚泥を脱水して運ぶ能力がシステム全体の能力を決めるからです。今までの濁水・汚泥処理技術(脱水機能がない処理装置等)との一番の違いでもあります。これは専門技術者と異業種から入ってきた技術者との感覚の違いが大きく出た部分でもあります。
エコポーチは輸送用の容器としての強度を確保するためにJIS規格とJFC(日本フレキシブルコンテナ工業会規格)という2つの規格品になっています。専門家にMC工法を紹介した時にもエコポーチの存在が最も注目を集めます。
エコポーチが完成する頃にはフロックマン(凝集剤)やSR3000(高速汚泥反応装置)はおおよそ完成していました。この2つに関しては専門家ですので、エコポーチ程の苦労はありませんでした。エコポーチの完成と共にMC工法が完成したのです。
当時のエコポーチの脱水実験のスナップ写真です。
エコポーチによって汚泥から脱離液が絞れている状況が確認できます。
脱水が完了した状況です。(約48時間後の状況)
脱水ケーキをエコポーチのまま地面においても、エコポーチは転倒せず自立しています。
エコポーチの内観です。
含水率は 約90%前後、体積は 1/6~1/8程度になっています。
エコポーチは、JIS,JFC規格で製造しており、脱水ケーキの輸送用のフレキシブルコンテナバックとして使用することにより、従来のように吸引車(バキューム車)を使用せずに、ユニック車等で脱水ケーキの搬出が可能となりました。
日豊製袋工業㈱のホームページは
ここから
追伸
お陰様で、今月、エコポーチの特許登録(特許第4964083号)が完了いたしました。
友松社長をはじめ関係者の方々には厚く御礼申し上げます。
株式会社ファーストソリューション
代表取締役 高田 将文
以上
株式会社 ファーストソリューション
http://www.1st-solution.jp/
092-285-2631