産業廃棄物と有価物

産業廃棄物と有価物について書きたいと思います。

先ず、廃棄物処理法では、「事業活動に伴って生じた廃棄物」のうち、20種類を産業廃棄物として定め、産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物としています。   (産業廃棄物の20種類の品目はここから

また、ここでいう「事業活動」とは、製造業や建設業等に限定されるものではなく、農林業や商店等の商業活動、水道事業、学校等の公共事業も含まれます。

そして、当社が取り組んでいます、浄水場の汚泥(河川水中の濁質や浄水処理に使われた薬剤の沈殿物)や建設現場の汚泥も前述したように産業廃棄物に該当します。

また、建設汚泥に関しては、

『 建設汚泥処理物(※1)については、建設汚泥に人為的に脱水・凝集固化等の中間処理を加えたものであることから、中間処理の内容によっては性状等が必ずしも一定でなく、飛散・流出又は崩落の恐れがあることに加え有害物質を含有する場合や、高いアルカリ性を有し周辺水域へ影響を与える場合もある等、不要となった際に占有者の自由な処分に任せると不適正に放置等され、生活環境の保全上支障が生ずるおそれがある。そのため、建設汚泥処理物であって不要物に該当するものは、廃棄物として適切な管理の下におくことが必要である。その一方で、生活環境の保全上支障が生ずるおそれのない適正な再生利用については、積極的に推進される必要がある。

※1 建設汚泥処理物の例

・建設汚泥にセメント等の固化剤を混練し、流動性を有する状態で安定化させたもの

・建設汚泥に石灰等の固化剤や添加剤を加え脱水させたもの

・建設汚泥を脱水・乾燥させたもの 』

環境省 廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課長通知 環廃産発第050725002号 平成17年7月25日

「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」より

そして、有価物は廃棄物ではありませんが、その判断基準は、「売却代金と運搬費を相殺しても、排出者側(廃棄物を排出する側)に収入が有るか否か」というものが、大きな目安となっており、有価物とは、売却代金と運搬費を相殺しても、なお排出者側にプラスになることが必要です。

ただし、使用方法や流通ルートが現実的でない場合などは、「産業廃棄物として処理をすべき物を、有価物と称して不適正な処理をした」と見なす場合があります。

産業廃棄物を処理する責任は、その産業廃棄物を排出した事業者(廃棄物を出した事業者)にあります。事業者は自社が排出する産業廃棄物を、責任をもって処理しなければならないのです。この考え方を、「排出事業者責任」といいます。

このように、法の解釈は何かと難しい面もありますが、産業廃棄物の取り扱いには十分な注意が必要です。

以上

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